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探索3日目。

基本行動で投稿した日記。
3日目。
戦闘あったけど描写は無し。

※3200文字

探索3日目

島に着いて3日目。遺跡に潜って2日目。
今日は本当に大変だった。
朝の支度を整えて、食事というのも貧相なパンをかじる。
僕は支度と言ってもたいしたものもないから、寝具をまとめて顔を洗うくらいだけど、女の人は本当にたいへんだね。
君もいつも出掛ける時は大騒ぎだったよね。
特に僕と出掛けるとなると、何にあんな時間が掛かってたんだろうって、今でも不思議だよ。
まぁ、お姉さん達と違って僕だったらいくら待たせても気遣う事ないし、僕も気にしなかったけど。
それに君と出掛けるのはいつも楽しかったよ。本当だよ。

さて、そんな朝の支度を終らせた所で、問題が起こった。
草葉の陰からウサギが出てきたんだ。
そう、ウサギが2匹。それからなんかもっさりした緑色の人。
これが、僕とコーレンさんとメイズさんがパーティを組んではじめて出合った敵だった。
君はよく鳥やひつじたちと話していたけれど、僕は今日はじめてウサギに悪態つかれたよ。
たぶん生まれてはじめての体験だったと思われる。覚えてないけど。
誰かの腹話術とか使い魔とか、そう言うものじゃなくって。あいつはどこからどう見てもウサギだった。
ウサギはともかく、いや襲いかかって来るウサギって言うのもアレだけど、謎過ぎるけど。
悪態もつくし、あいつら。
ともかくそんなウサギよりも何よりも怖かったのが緑の人、もさーとか言っておおいかかってくる。
もう、本当、僕、あいつ嫌いだ。
ウサギは小さいから、僕の大振りな武器じゃあたらないのも仕方ないと思う。
弓を用意してくるべきだったと少し思った、あんまり巧くないけど。
そもそも弓は君の得意手だったんだし、もっとちゃんと教わっておけばよかったね。
ウサギにはさくさく避けられるし、あの緑の人はもさーしか言わないし、他の2人ともまだ連携とか取れるほど馴染んでたわけじゃないから、傍からみたらかなりばたばたした戦い方だったんじゃないかな。
とにかく何とか勝利して、お金を少しとおいしい草を手に入れたよ。
この草ってあの緑の人の体に生えてたとかそんなまさか…見なかった事にしてあとでスープに混ぜ込んだ。
それから近くを探索して、石英(大婆様が占いに使ったりしてたやつだね)と、メイズさんは韮を見つけてた。
近くで探索してた人たちの中にはけっこう韮見つけたよっていう人がいたので、あのあたりに群生してるのかも。石英を拾った人はもっと居たけど。
これは何かに加工できるのかな?判らないからカバンに仕舞っておいた。

戦闘の後始末をして、装備に手入れをいれてから、今日の訓練をした。
戦闘もしたし、どたばたしてただけとも言うけど。
今日は訓練なくってもいいかなーってちょっと思ったけど、やっぱり継続は力なりっていうし、毎日続けるのが大事だよね。
僕は別に大きな怪我をしたわけでもないし。
いや、僕以外も大丈夫だよ、怪我なんかしてないよ。心配しないで、君。
以前この島にいた人たちは、遺跡の暴走によって、その期間に島や遺跡で得た知識や経験の積み重ねが混乱し消えてしまったらしい。
僕の記憶はこの遺跡で失われたものではないだろうけど、条件は似たようなものなののかも知れない。
ここ何日かの訓練とさっきの戦闘で身体を動かしたおかげか、自分がよく使っていた技を少し思い出した。
怪我したり、もっと悲しい事にならないように、毎日の積み重ねが大事で、その積み重ねが技を鍛えて使えるものにする、思いついただけじゃ駄目なんだ。

それからようやく、移動を開始した。
まわりの人たちも移動をし始めてたし頃合的にはちょうどよかったのかも知れない。
そもそも、コーレンさんがすごい早起きなんだ。村の長老達くらい早起き。
あんなに若いのに、若いから力が有り余ってるのかな。
朝日とともに目覚めてた。
酒がないから朝がすっきりって言ってたけど、あの子の国元じゃあんな若いうちから飲ませるのかな。
それともああ見えてもう結婚してるんだろうかね。謎だなぁ。
そう言えば、コーレンさんもメイズさんもどこから来たのかは、ぼかしているなぁ。
僕も特には話してないけど。
そうは言ってもこの島に来た人たちには、世界中のみならず、他の世界からきました!とかよくわからない事を言ったりする人もいるので今更気にするところじゃないのかも。
それに、コーレンさんには何度か地名らしきものについて尋ねられたけれど、僕にはサッパリ聞きおぼえの無いモノだったし。ココから来たって言われても、たぶん僕にはさっぱりだろうね。
そもそも僕は僕らが住んでいたあの村があったあたりの名前だってよく覚えてないや、なんだったっけ?
あそこに居る限りそんなもの覚える必要もなかったし、何もかも忘れる以前の僕はもしかしたらしっていたかもしれないけれど、もうそれは過去の話しってやつだ。
思い出せない誰も知らない過去には意味なんかあるのかな。
あるのだとしたら…いや、今更意味なんか良いんだ。
僕に必要なのは君だけだ。

歩きながら周囲の人たちと話したり情報交換。
流れてくるおしゃべりに耳を澄まし。…亀は相変わらずでかいな。
ものすごい足音を立てながら山のような巨体が移動していく様は壮観だなぁ。
昨日にくらべると幾分人数が減ったみたいだ。
左手にこんもりとした小さな森、左手には水辺が続く。
しばらく進むとやはり壁にぶち当たった、昨日かすかに見えていた遺跡の境界線。
辺りを見回すと、壁をあちこち調べては体当たりを繰り返す人達が居て、なんだろうと声を掛けてみたところ、以前の遺跡には壁に通り抜けられる個所があったらしい。
その為この遺跡でも同じように何らかの仕掛けがあるんじゃないかと思って調べているということ。
知識は書き留められ、経験は伝えられ、そして後世の新たな一歩となる。
ここには見つからなかったけれど、行く先々でそうやって調べる人がいるだろうし、発見されれば直ぐさまにその情報は皆に伝わるだろうから、と調べている人たちは言っっていた。
なるほど、互いに声を掛け合ったり、コミュニティを作ったり、それ以外にも人の言った事を纏めて他の人に伝えたり、そう言った行為はこの島をより深く知るために必要な事なんだなぁ。
そう言えば、気になることを聞いたよ。
朝戦った緑の人は、歩行雑草っていうんだって。
歩行する雑草…ちょっと変った体色の人に見えたけどアレは草で…やっぱあの時拾ったおいしい草はあの雑草の一部で…うわぁって思ったけど、もう遅かった。
遺跡の外で貰った草もさっき拾った草も、カバンの中でごちゃ混ぜになっちゃったからね…。
もし、そんな事はないと信じたいけれど、もし万が一僕が緑色になっても、君だけは嫌わないでね。お願いだよ。
壁を右手にしながらしばらく砂地を進んだところで、今日の探索はおしまいにした。
このあとは、真っ直ぐ進んで水の中を進んで壁の途切れている所を進む!とコーレンさんが言ったんだけど、水辺はさすがに渡れない。
泳いで行くには対岸への距離が不明だし、僕はしばらく泳ぐのは遠慮したいと思った。
船を用立てるのだって容易じゃないしと言ったらコーレンさんはかばんの中から丸い変な板を二枚だして、コレがあるじゃろと言った。
足にはくと水の上を歩ける!って言うんだけど、小柄なコーレンさんならともかく、どう見ても僕の体重を支えられるようには見えなかった。沈む。
僕も君みたいに泉を渡れればよかったんだけど、残念ながら僕にはそんな血も才能もないからね、たまに君がやってたみたいに失敗してびしょぬれになるだけだと思う。
仕方がないので、水辺に行き着く前に左に曲がって、南の方角を目指す事にしたよ。
そっちの方にはまた新しい魔法陣が見つかったという噂だし。

明日も探索が無事に進むよう夜の果てから祈っておいて。
愛を込めて。

うっかりウサギをそのままにしてしまったけれど、あの肉取っておけばよかった。彼女達の住んでた所ではウサギは食べないのかな。
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