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探索2日目。

基本行動で投稿した日記。
2日目。
パーティ結成の経緯を捏造。

※ 3100文字

探索2日目

島に着いて2日目。
やっぱり疲れていたせいか、思ったよりもゆっくり寝てしまって、まわりの人たちの移動する物音で目が覚めた。ろくな寝具も無いけれど、どんなに穏やかでも常に揺れつづける船内にくらべると随分とゆったり出来たみたいだ。
遺跡の入口近くの人々が、探索開始の合図を伝えていて、どうも今日がその久しぶりに遺跡の探索が再開される日だったみたいで、偶然に驚いた。だって、いろんな人の話を聞いていると中の様子や探索の手順なんか随分と研究が進んでいるんだ。だからもうあちこちと探索されているんだと思ってた!
僕も昨晩はいろんな人の話を聞いたよ。遺跡探索の手順や訓練の仕方、以前の島の遺跡についてだとか、食事の重要性を説く人の話とか。他にも、自分の武器や道具に対する愛着を語る人たちの集まり、いろんな人の話をチェックしてまたそれを他の人に広めるために纏めている人、友人知人や気になる人の姿絵を描いてる人たちも居たな。
村にはそれほど人がいなかったし、人の数こそ多かったけど港町では僕にわざわざ注意をはらう人は居なかったし。たくさんの人たちが、あんなに互いを気にしてる感じ?っていうのが僕にはびっくりだったよ。
持っていた崩れたパンを食べてから、日課の訓練をした。それから側に居た人の火種を借りて持ってた草を煮てみた、ちょっと煮て置いたら柔らかくなって食えないだろうか、これって思って。そんなさもしい事をしてたせいか、親切な人がパンや食べれる草を配っている場所を教えてくれたので、行って少し貰ったよ。そんな情けなさそうな顔をしないで、君。とかく冒険とか探検とかいうのは、アレだよ、現地調達に尽きるんだ!覚えてないからたぶんだけど。

身支度を済ませたらいよいよ探索開始。
僕は意気揚揚と剣を担いで遺跡に入った。
昨日決めたとおりに平坦だろうってジョシュアさんが言ってた右の魔法陣、名前はなんだったっけかな。始まりの右足か。誰の足なんだろう。
そっちの魔法陣に入ると、昨日聞いて覗いてすごいビックリしたけれど、きちんと見るとまたすごい壮観だった!確かに建物の中に入ったはずなのに、天井はどこにも無かった。真っ青な空には少しばかりの白い雲、僅かな砂地の向こうには見渡す限りの平原。なんだあれ、魔法?とにかく驚いて、しばらくその場で立ち止まってはるか彼方を眺めていてしまった、そしたらジャマって言われちゃった。まぁ、確かにジャマだよね。反省してる。
みんなと同じように僕も開けた所に出るまで真っ直ぐ進んでいった。もう1つの魔法陣のほうはどうだったか判らないけど、今のところ危険な生き物も場所も無いみたいで、あちこちで旧交を温めたりパーティを組むための合言葉を言ったり、思い思いに叫んだりしてる人たちがいっぱいいたよ。僕個人としてはきょにゅうとじゅくじょについて熱く叫んでる人と、なんかやたらでかい亀が気になったけど。いや!気になったのは巨乳と熟女じゃなくってそれに付いて叫んでる人のほうだからね!どんな人だろうって気になったんだよ、本当だよ。
人の流れに乗りながら進んでいると、どこからともなく声が聞こえたんだ。そうしたらまるで隙間から、隙間なんか無いのに本当に隙間からするっと人が現れたんだ。たぶん、魔法?いや、ウン。判ってる、よく判らないモノは全部魔法っていうクセは止めなさいっていつも君は言ってたね、でもあれは魔法。多分。聞いてみればよかったな。
その人は、スロ…スロキール何とかさんって名乗って話をしたかったらしいけど、良く判らないや。直ぐに消えちゃったからね。もしかしたら遺跡の精霊みたいなものだったのかも知れない。まわりの人たちみんなも見たって言ってたし、とにかくさっと現れてすっと消えちゃったんだ、僕はまだ何も言ってなかったのに。もし今度どこかで逢う事があったら、ちゃんと名乗るよ。

そんな風にしばらく進んでから、少し休憩を取ることにした時だった。
荷物を置いて、と言ってもあまりないけれど、肩から剣を下ろすだけでずいぶん違うよね。少し座ってボーっと空を眺めてたんだ。
ちょっと先のほうに長い赤い髪をしたかわった服装の女の子がいてね、こっちを見てた。何となくかわった格好だなーと思って、いや、僕の格好もわりとまわりから浮いていたのかもしれない、みんなシャツは短めだし帽子も被ってないし、僕はこの服装も上着や帽子の刺繍も全部気にいってるけど、だって全部君が誂えてくれたものだもの。とにかくその子をかわった格好だなーって思って見返してたら、だーっと走って来てこっちに指を突きつけながら「パン九頭!」て叫んだんだ。一瞬何のことか判らなかったんだけど、とっさにクセでオウム返しに「ぱ、パン九頭…?」と返してしまったら、その子はにやっと笑って「ならばヌシもパーティに入るんじゃな」って言われた。そこにきて、ようやくさっきこの子が叫んだ言葉が何だったのか理解できて、ようするにパーティ募集の合言葉だったんだ!小さな女の子と2人でパーティなんてと思ったら、もう一人やっぱり赤毛の女性がいて、二人はもうパーティを組む事に決めてるって。せっかく誘ってもらったんだし、女の子だけって言うのは何となく心配だったので一緒に行く事にしたんだ。

小さい女の子のほうはコーレンさん。女性のほうはメイズ=クローデルさんっていって、別の国からきたらしい。二人は知り合い、むしろ姉妹とかそういう親しい関係なのかと思ったけど髪の色が同じ赤だし、そういうかんじなのかなーと思ったら、全然関係なくって僕の少し前にさっきの要領で捕まえたらしい、コーレンさんが。2人とも服装が変わってて、コーレンさんは元の世界がどーのとか言っていたから、僕と同じように帰る場所を忘れてしまったのか、それともよっぽど遠くから来たのかな。たとえ帰る場所を忘れちゃっても僕みたいになんとかなるかもしれないし、ね。
一緒に歩き始めて、観察してみると、2人ともただ何となくここに来たわけじゃないっていうのが判るような身のこなしだった。隠者マルクスバレッジ様の守護を頂いてるというからそのおかげかも知れない。それからいろいろと聞いて、と言ってもわりとコーレンさんからいろいろ話してくれたんだけど。2人とも素早い動きと短剣が得意で、魔法はあんまり使えないみたいだ。僕よりはマシだろうけど。僕の魔法適正のなさは全く、残念なものだったものね。
たぶん2人の戦闘の仕方は僕とは全然違う感じじゃないかと思う。戦わずに済むのならそれに越した事は無いと思うんだけど、いざと言う時に仲間が何が出来るか判らないと自分の剣を振るのも難しいからね。

結局この日は行けるところまでどんどんと歩いて、休憩する事にした。と言っても回り中みんな同じようなペースで進んでいるので冒険探索というよりも、みんなでピクニックとかしながら、ヒツジやヤギでも追いかけてるような気がしてきたけど。
続きはまた真っ直ぐ進んでみようという事になった。かすかだけど、向こう側に壁が見えるような気がするよ。あの壁はこの遺跡の天井に繋がってるのかな?判らないな。


明日も探索が無事に進むよう夜の果てから祈っておいて。
愛を込めて。


ところで一応言っておくと、これはまったくの偶然で、僕は仕立て屋さんのことなんか思い出してないし、君が心配するような事は何もない。
僕は灰釣りの赤いジャムより蜂蜜のほうが好きだし、赤い礼装よりも金糸の婚礼衣装のほうが素敵だと思うし、夕焼けの柔らかな光よりも朝日の放つ黄金の輝きのほうが何倍も良いと思う、つまりは、えーと、そう言う事なんだよ。
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