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探索1日目。

基本行動で投稿した日記。
1日目。
探索自体についてはあまり書かれていない、どうやってココにきたか、等。

※ 一人称が日記内では僕になっている。

探索1日目

久しぶりに日記を書くけど、許して欲しい。
なんていうか大変だったんだ。本当だよ。
どこから書いたらいいかな、折角あんなに書いていたのに前の手帳を無くしてしまった。
折角君が選んで買ってきてくれたものだったのに、本当にごめん。
でも無くした僕が一番ショックなんだ。
きっとあの手帳は今頃、夜の果てにいる君に届いているんだ。そう思おう。
で、今書いているこれは同じ船に乗っていた行商人の旦那さんから頂いた手帳で、表紙が革製。何の革かは判らないけど。あか…赤銅色?に染められてて…染めてるんだよね?僕には読めない字が書いてある。たぶん日記とか手帳とか書いてあるんだと思う。
実はペンも頂きモノで、これは船長さんがお詫びにと言ってくれた、インク壷にどぶんと入れなくってもいくらでも文字が書けるんだ。すごいよ。
なんだろう、魔法じゃないんだけど、中に小さいインク壷がぎゅーっと圧縮されて入ってるって言ってた。もちろんそのインクが無くなったらおしまいだけど、早々無くならないって。船長さんが同じモノを持っててもう何年も航海日誌を書き続けているけどインクは全く薄くならないらしい。本当すごいよね。分解してみて見たいけど、元に戻せる自信が無いからやらない。

すごいと言えば、海!
海は本当にすごかったよ!果てなんか無いように見えた!
あまりにも大きくて、たぶん僕は海の側に住んだ事はなかったんじゃないかな…だってあんなの1度みたら絶対に忘れるわけ無い…と思う、たぶん。うん。
あんまり自信ないけど、まぁ君より昔なんか、いらないからいい。
谷の川の一番幅のあるところよりも、山向こうの湖よりもうんとでかかった。
とりあえずあんまりにも大きくってビックリしたんだけど、正直ここに入るのはいやだなぁって思った。泳いで渡れるとは到底思えなかったし、風が無くても波が起こってて、入ったらどこか遠くに流されるんじゃないか、海の果ては夜の向こうがわで、滝になってるんだっけ?
でも、何とかという街には船に乗らないと行けないっていうし。
お金はあんまりなかったんだ。だから暫らく港で荷運びをしてて、そしたら船長さんが手伝いするなら乗って良いと言ってくれて、最初の数日は本当に、本当に快適だった!あんな素晴らしい旅があるなんて、君と一緒じゃなかったのが本当に残念だ。
水面はいつも日に煌いてキラキラと金糸銀糸を織り込んだ更紗みたいに揺らいでた。
見た事も無いような鳥が何時間も飛んで追いかけてきていたり、あとすごい魚の大群も見た!
春先の川戻り魚なんか目じゃないくらいに敷き詰めた砂利みたいな量の魚だよ。
あんなにいたら何ヶ月も毎日食べつづけても全然減らなさそう。
それから、えーと船もすごかったよ。なんだあれ。
いや船なんだけど、何十人も乗れるような大きな船で、船室がたくさんあって、あと風呂とかもあった。食堂も大きくてパーティみたいなご馳走が毎日でていたよ。
あとそれから…
たぶん君は勘がいいから、もう気付いてるんじゃないかな。
僕は荷物のほとんどを海に流してしまった。もちろんわざとじゃないよ!
僕が君に貰ったものを1つだって無駄に捨てるわけない。
海は大きくって綺麗で、本当に素晴らしかったけど、あんなに大荒れになるなんてアレは反則だと思う。誰に訴えればいいんだ。
とにかく、人死にが出なかったのが奇跡だってくらいの大嵐だったらしい。ここ何ヶ月かずーっと穏やかな海だったというから、海も憤懣が溜まってたのかもしれない?
積荷のほとんどは海に流されちゃって、僕の荷物も例に漏れず。何処かの海の底に眠ってる。
何日もあの大きな船が波に翻弄されてもみくちゃになって、でも嵐を抜けたら目がまんまるになるほどまっさらな穏やかな海で、彼方に島が見えた時はみんなで万歳してしまった。
海は恐かった。今も、嵐を思い出すと背中がゾクっとする。
綺麗で大きくてすごいけど、怖いって事を忘れちゃいけない、戦場と同じ場所だ。

まぁ、そんなわけで辿り着いたのが、この島。だ。
何でも大きな遺跡があって、その遺跡を探検すべく広く冒険者を募っている、らしい。
かきわけなきゃ無理なくらい人がいて、これ全部探索者なのかと思うとビックリ。いろんな風体の人がいて、あと人じゃないのもいた。獣っぽいのとか、やたら堅そうなのとか。
入口からちょっと覗いてみたら、遺跡のはずなのに空とか山が見えた。
面白そうだと思ったんだ。だから少しのつもりで階段を下っていったら、ギンユーシジンという職業の…何をする人なんだろうな、ジョシュアさんという人が探索者に地図を配ってた。
僕も1枚貰って、それから説明を少し聞いたかな。
本当はその時まで、船が直ったらまた乗せて貰って何とかいう街に行くつもりだったんだ。アレ、もう街の名前忘れてしまった、なんだったかな。
だけど、地図を貰って遺跡の先を見ていたら、なんだか抑えきれない何かに突き動かされるような気がした。もっと先を見て見たいって思ったんだ。
だから直ぐに船長さんの所に行って、ここに残ると伝えたんだ。
あんまり悩むと良い事ないしね。
そしたら船長さんは残念がってくれて、賃金のかわりにペンをくれたんだ。
たぶん行商人の旦那さんとしていた手帳の話を聞いてたんじゃないかな。
お金じゃなくってすまないと謝られてしまった。でも給料のための銀貨もやっぱり海に落ちちゃったからね。それはもうしょうがないということ。むしろ貰えると思っていなかったのでビックリしたよ。
あとはもうトントンと進んで、と言うほどでもないけど。船旅で親しくして貰った人や甲板で一緒に働いた船員達にお別れをした。みんな残念がってくれたよ。船長さんはもし探索を諦めた時に、まだ船が島にいたら戻っておいでと言ってくれた。海の男は情に厚いんだって。
先の事は全く判らなかったけど、遺跡で何かめぼしい物があればそれでまた船に乗るなりできるだろうし、万が一何も見つからなかったとしても生きていればなんとかなる。または船賃がわりに下働きさせて貰ったり、床で寝るのは慣れてるしね。
そういえば、お別れの前に行商人のおかみさんに髪を切って貰った、長旅で少しもっさりしていたからね。
今の僕は何時に無く男前な感じだと思う、君にも見せたい。

明日は魔法陣に乗って中に進んでみようと思う。
船旅の疲れがあるからぐっすり眠れそうな気がする。とりあえず安全そうな草原に進んでみたい。
以前この島の何かが暴走して、今も遺跡の中もおかしな事になっていると遺跡の外にいた人たちが言っていたから、出来るだけ安全そうなほうから少しずつ範囲を広げていこうと思う。
はっきり言って武器防具も他の持ち物も不安要素以外無いくらい軽装で、些か無謀じゃないかと我ながら思うんだけど。底はほら、あれだ、僕の中に眠る経験者の記憶が…あればだけど、何とかしてくれるはず!あればだけど。でもやって見ないと思い出せないことはたくさんあるしね。
ほら、いつだったかの新年際の時の。僕は自分が二弦弓をあんなに巧く弾けるなんて全く知らなかったし。あれ新年祭じゃなくって収穫祭だったっけ?

明日の探索が無事に進むよう夜の果てから祈っておいて。
それじゃぁ、愛を込めて。

そう言えば今日の日付を聞くの忘れたな。何日だろう。
船に乗って、えーと、アレから何日経ったのかな、嵐のせいで酷く曖昧だ。
まぁ、いいかとりあえず新しい手帳の1日目。
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